2020年7月7日

特別定額給付金は税金がかからないのに、持続化給付金は税金がかかるとは何事だと聞いていませんでしょうか。
テレビのコメンテーターも、同じ給付金なのに税金が引かれるのは問題だと話していました。
でも、本当にそうなんでしょうか。
「課税」という言葉から誤解が多いようなのでまとめてみました。
（令和2年7月1日現在の情報）

新型コロナの主な給付金の課税と非課税

「給付金」というと非課税というイメージがあると思います。

ただ、国税庁は、このように非課税のものと課税のものがあると示しています。

非課税	課税
特別定額給付金 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金 学生支援緊急給付金 新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金 など	持続化給付金 家賃支援給付金 東京都の感染拡大防止協力金 雇用調整助成金 など

特別定額給付金は、皆さんにちゃんと10万円が給付されましたよね。

持続化給付金は会社が潰れないように給付したものなのに、課税されて丸々もらえないのはどういうことだとの声があります。
イメージとしては、税金が天引きされて、その残りだけがもらえるということなのでしょう。

上限額が支給されるとして、

法人の場合（法人税等30％とする）　200万円 ー 200万円×30％ ＝ 140万円
個人の場合（源泉所得税10％とする）100万円 ー 100万円×10％ ＝ 90万円

法人は200万円、個人は100万円支給というのに、これだと怒りますよね。

でも、安心して下さい。
ちゃんとそのままもらえます。申請した方はわかると思いますが。
課税といっても、全て税金がかかるということでありません。
結果として税金を支払う場合があるということなんです。

課税とはどういうこと？

課税というのは、税金の計算の対象となるということです。
ただ、税金の計算の対象は、収入だけではありません。
法人税や所得税の事業所得では、費用も税金の計算の対象です。
つまり、収入（右側）から支出（左側）を引いた「利益」に税金がかかるのです。

収入　＞　支出　の場合	収入　＜　支出　の場合
収入（売上）1200　－　支出（費用）1000　 　　　　　　　　　　　＝　＋200（利益） 法人税額　利益　＋200　×　30％　＝　60万円	収入（売上）800　－　支出（費用）1000　 　　　　　　　　　　　＝　－200（損失） 法人税額　損失　－200　＜　0　→　0円

このように、損失のある企業には、税金はかかりません。
つまり、黒字の場合だけ、利益に税金がかかります。

持続化給付金が支給された場合の税額は？

では、持続化給付金が支給された場合はどうなるのでしょうか。
持続化給付金の対象となる事業主は、売上が減った事業主、このままでは赤字の所が多いかと思います。

給付金の支給を受けないと赤字になりますが、支給を受けることで黒字になることがあります。

給付金によって利益が出たからといって、給付金全体に税金（60万円）がかかるわけではありません。
利益だけに税金がかかります。

法人税額　利益　＋10　×　30％　＝　3万円

60万円に比べると、1/20の金額ですね。給付金を受けても、基本的な考え方は変わりません。

つまり、

給付金をもらって利益がでたら、利益の分だけ返してね。

ということです。
でないと、頑張って売上を上げて利益を出した会社と収入が同じだったら、公平性が保てないですよね。

会計処理をしないといけないの？

持続化給付金の支給を受けても、結局損失が出て税金が掛からないのならと、会計処理をしなくてもと思ってしまうかもしれません。

それは、法律違反になります！

事業に掛かるものは、全て会計帳簿に記載する必要があります。
税務署は、支給を受けていることを把握しています。

勘定科目は「雑収入」として、帳簿に記載して下さい。

ただし、消費税は掛かりませんので、「非課税」に設定することは忘れないように。

まとめ

持続化給付金を受け取っても税金が取られるのかどうか、課税の概念からまとめてみました。

給付金の申請をして通れば、その金額をそのまま受け取ることができます。

事業の継続に役立つものですから、安心して持続化給付金の申請をしてみて下さい。