クラウド会計は、デメリットを知ってこそ
前の記事で、クラウド会計のメリットをまとめました。
そんなにいいことだらけではないだろうと思いますよね。
やはり、デメリットはあります。
ただ、そこを知って対応すれば、よりよいものになっていくんです。
クラウド会計のデメリット
1.クラウド会計への期待が大きく、何でも自動でできると思いがち
2.毎月や毎年の更新料が掛かる
3.現金取引が中心の会社は、メリットが小さい
4.大きな規模の会社には適さない
5.クラウド会計に対応できる税理士が少ない
1.クラウド会計への期待が大きく、何でも自動でできると思いがち
クラウド会計を理想の会計ソフトと思うと、何でも自動でできると考えてしまいますよね。実際に使ってみると、意外と自分でやることがあり、期待が大きかっただけに、その反動で使えないソフトだなぁと思ってしまうことがあります。
例えば、現金で購入した場合は、アナログな紙の領収書を手で入力する必要があります。
ただ、これを避けるには、できるだけカードを使って決済することで、データを取り込むことができ、手入力の数を少なくすることができます。
また、売上について、個人事業主の場合は源泉徴収された金額が入金され、値引きをして販売した場合は値引き後の金額が入るため、売上額が小さくなってしまいます。売上は総額主義なので、売上高を源泉徴収前や値引き前の金額に手修正し、源泉徴収額や値引き額を反対側に仕訳を追加する必要があります。
これは、インストール型の会計ソフトも同じように入力し修正する必要があります。ですので、クラウド会計ソフトだけの問題ではありません。
どうしても、人間の判断が必要な所があります。コンピューターの得意な所と人間の得意な所をわけて考えると、インストール型の会計ソフトとの違いを認識する事ができます。どこの無駄が削減されたのか、良さがわかることになります。
2.毎月や毎年の更新料が掛かる
既存のインストール型の会計ソフトはパッケージの販売なので、最初に買ったときだけ支払います。
クラウド会計はウェブサービスの提供なので、新聞の購読料と同じように、毎月の更新料(年会費にした場合は少し安くなります)が掛かります。
ただ、インストール型も、毎年のように定期的に更新されており、古いバージョンはサポート対象外になります。さらに、税理士事務所は最新のバージョンが入っているためデータのやりとりがしづらく、結局は最新のソフトに買い換えることになるんです。
常に最新の状態になっており、追加された機能も使えることを考えると、ランニングコストが掛かってもいいのではないでしょうか。
3.現金取引が中心の会社は、メリットが小さい
銀行口座のデータやカード決済のデータのと連携が、クラウド会計の一番のメリットになります。
現金取引が中心の会社は、レシートや領収書から手で入力するので、インストール型と違いはありません。
ただ、これを機に、取引のやり方を
- 銀行口座をネットバンク設定に
- 事務用品等の物品の購入を、現金からカードに
- レジをタブレット型のPOSレジに
のように変更すると、一気にクラウド会計のメリットに変わります。会計業務も効率的にかつ正確になりますよ。
4.大きな規模の会社には適さない
クラウド会計は、中小規模の会社の経理の負担を軽減するために開発されたものです。
大規模の会社は、事業所別だったり部門別だったり、特有の設定があるかと思います。クラウド会計はブラウザの機能を使っているため、インストール型よりは制限されるところがあり、カスタマイズは難しいところがあります。
5.クラウド会計に対応できる税理士が少ない
クラウド会計にしたら税理士はいらなくなるのかというと、全くそういうことはありません。たとえ会計はできても、クラウド会計からは税務申告はできません。また、導入時は、会計に精通している税理士のサポートがあった方が、効率的で間違えのない信頼できる会計システムを構築することができます。
ただ、クラウド会計は新しいシステムのため、対応する技術を持った税理士が少ないことは否めません。 というのも、多くの税理士事務所は税理士業務の効率化を図るために、業者に一括したシステムを構築してもらう傾向にあります。新しいシステムを取り入れるには手間が掛かることになりますし、ベテランの税理士が多いため新しいシステムを苦手としていることも…。
とはいえ、新しいシステムを積極的に取り入れる若手の税理士も多くいます。 もし、顧問の税理士がクラウド会計をよく知らないのでしたら、クラウド会計に詳しい税理士に問い合わせてみることもありです。
税理士が、クラウド会計に対応できるかどうかを見極める方法があります。それは、税理士事務所のHPにクラウド会計についての記事があるかどうかです。メリットの大きい会計システムですのでその良さを知って欲しいと思っていますし、ネットを活用したシステムですのでネットを使いこなしているかどうかがわかるからです。
新しい技術に対応する税理士と付き合えるかどうか、会社の発展にも繋がっていきます。
まとめ
クラウド会計のデメリットをまとめましたが、それに対応する方法があります。つまり、デメリットがメリットに変わってくるんです。
これからの会計は、クラウド会計が基本となっていくと思われます。導入には最初は労力がかかりますが、運用してみると会計や経理の仕事の負担が大きく減ったと実感できるはずです。これまでの経理の考え方を変えて、早めにクラウド会計の取り組むことをお勧めします。
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