持続化給付金:売上に源泉税を足すのを忘れないで!
持続化給付金の申請にあたって、正確な売上高を記録する必要があります。
ただ、個人事業主は源泉所得税が引かれた金額が振り込まれることが多いかと思います。
今年の売上高を計算するにあたって、源泉所得税が入っていない金額で申請をすると、後から不正受給と疑われかねません。
さらに、入金日が売上計上日ではありません。業務の実施日(完了日)が売上の計上日です。
月別の売上高が申請の基準であることから、入金日で計上すると売上高を意図的に変えたと見なされてしまうことになりかねません。
そこで、正確に申請できるように、売上の計上方法をまとめてみました。
源泉徴収とは?
源泉徴収とは、給与や報酬を受け取る人の所得税を、支払う人が先に一定の割合の金額を差し引き、国に納付する制度です。
年に一回の確定申告を待つと、税の徴収が遅くなってしまうため、効率的に効果的に徴収するためです。
正しい会計処理は?
受け取る方からすると、銀行の入金だけだと正確な金額がわからないんですよね。
クラウド会計を使うと、預金が自動で入力されるので、
日付 | 借方 | 貸方 |
入金日 | 預金 9,877 | 売上高(税込) 9,877 |
と、入金金額を売上にしがちです。
ただ、正確には、
日付 | 借方 | 貸方 |
発生日 | 売掛金 9,877 | 売上高(税込) 11,000 |
源泉税 1,123 |
日付 | 借方 | 貸方 |
入金日 | 預金 9,877 | 売掛金 9,877 |
と、二つに分けて計上しなければなりません。
発生日に売上を計上し、入金日は売掛金の回収になります。
売上高も、
誤)9,877 → 正)11,000
と、源泉税分増えていますね。
手間ではありますが、明細が届くと思いますので、その時に遡って売上の計上を手で入力する必要があります。
さすがのクラウド会計も、請求書を送っていない売上は推測できません。
ただ、これによって、月別の正確な売上高を計上することができるようになります。
Money Forwardでの入力の仕方
マネーフォワードは上記の二つの会計の処理を、そのままのイメージで入力することができます。
売上の計上は、「手動で仕訳」→「振替伝票入力」からそれぞれの勘定科目を選ぶと入力できます。
右の「行追加」を選ぶと、源泉税分の入力欄が出てきます。
freeeでの入力の仕方
freeeについては、会計を知らない人にも使いやすくなっている分、入力方法が他とは異なります。
そこで、手順を追ってまとめてみます。
① 売上の計上(発生日)
まずは、「取引」→「取引の一覧・登録」を選択し、下記の画面を表示します。
「取引テンプレート」から「売上(源泉控除)」を選択します。
現れた画面から、左上の「未決済」を選択します。
発生日と売上高・源泉所得税の金額を入れますが、金額は計算する必要があります。
源泉所得税は、報酬については、基本的には10.21%になりますので、
売上高 = 受取金額 ÷ 89.79%(=100-10.21)
として求めることができます。
② 入金の処理(入金日)
freeeでの売掛金の決済(消し込み)は、他の会計ソフトとはまた違ったやり方になります。
振替伝票を使うと面倒なことになります。
さらに、自動取込の預金と、現金とでやり方が異なるんですよね。
a) 預金(自動取込)の場合
自動で経理の未処理の一覧から、入金の取引を探します。
freeeが、自動で推測してくれていますので、「登録」をクリックすればOKです。
b) 現金で預かった場合
「取引の一覧・登録」から、登録した売上の仕訳を探します。
その仕訳をクリックすると、詳細画面が現れます。
下の方に、「決済」欄がありますので、「決済を登録」をクリックします。
入金元口座を「現金」を選択し、決済日を受け取った日にして、「登録」をクリックすればOKです。
まとめ
個人事業者向けに、ご自身でできるように、正確な売上の計上方法をまとめてみました。
持続化給付金を申請するということは、かなり大変な状況かと思います。
ただ、大変な状況だからこそ、正しく申請して気持ちよく受け取りたいですよね。
この記事が、みなさんの手続きに、少しでもお役に立てていればと思っています。
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