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 電車といえば、やっぱり前パンがかっこいい!
 そんな皆さんに、前パンを揃えてみました。
 えっ?前パンって何??という方。
 先頭車の前側にパンタグラフがある電車の事です。
 ぜひ、前パンの魅力にはまって下さいませ♪

電子取引・紙保存はアウトに!令和4年1月1日からの保存方法を解説

電子帳簿保存法が改正され、令和4年1月1日から施行されます。
これまでも承認を受けていないし、自分の会社には関係ないよという方も多いかと思います。
実は、電子取引については、全ての事業者が対象となっています。
誤った領収書の保存方法だと、青色申告の取り消しになる事もあります。
では、どのようにすればいいのか、簡単に解説します。
引用が多くなりますが、背景を示したものですので、本文だけ読んで頂ければ大丈夫です。
(令和3年10月1日現在の法令による)

電子取引・法律の改正点

どこが変わったのか、比較してみてみます。
まずは、これまでの電子帳簿保存法より、電子取引の条文はこちらです。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
第十条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。

出典:e-Gov法令検索
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(施行日:令和元年十二月十六日)

改正されたのはこちらです。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

出典:e-Gov法令検索
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(施行日:令和四年一月一日)

途中の条文が削除されたので、繰り上がって第七条になりました。
違いはわかりましたか?
そう、「ただし、~」がなくなったんです。
「ただし、~」 に書いてあったのは、「出力することにより作成した書面」となっています。
電子取引であっても、紙に印刷したものがあればよかったんです。
改正された法律では、ただしが認められない事になりました。
つまり、印刷してはダメで、「電磁的記録を保存」しないといけないんです。
それも、「財務省令で定めるところ」によって…。

電子取引ってなに?

そもそも、電子取引とは何でしょうか。
国税庁のページによりますと、

(注) 「電子取引」とは、取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいいます。)の授受を電磁的方式により行う取引をいい(電子帳簿保存法2六)、いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)、インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じて取引情報を授受する取引等が含まれます。

出典:国税庁HP 電子帳簿保存法の概要

わかりやすいのは、Amazonや楽天などのネットショッピングですね。
普通に使っているのではないでしょうか。
ただ、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」なので、
ネットで購入しても、印刷された領収書が商品と一緒に届いた場合は該当しません。
以前は Amazonで購入した場合に領収書も一緒に梱包されていましたが、
今は購入履歴からダウンロードして印刷になっていますよね。
以前は電子取引ではなく、今は電子取引になるんです。

逆に、直接やり取りしていても、請求書の送付をメールに添付して行う場合がありますよね。
印紙税の兼ね合いで、PDFでのやり取りが出てきているかと思います。
ネットショッピングではないのですが、こちらは「電子取引」に該当します。

つまり、「電子取引」とは、購入の仕方ではなく、領収書や請求書の受取方法によるものです。
そう考えると、 電子帳簿保存法が改正、他人事ではないですよね!

何を保存すればいいの?

電子取引では紙の保存が認められず、「電磁的記録」の保存が必要になります。
電磁的記録の保存とは、何を保存すればいいのでしょうか。
国税庁HPの電子帳簿保存法一問一答に説明があります。
ただ、これを全部読むのは大変なので、まとめてみました。

電子メール
メール本文に書かれている場合・そのメールそのもの(ヘッダー情報は必須)を、
テキストファイルや、PDFに変換して保存
メールにPDFで添付されている場合・添付されたPDFファイル
購入サイトからの領収書ダウンロード
PDFファイルがある場合・ダウンロードしたPDFファイル
Webページに表示されている場合・スクリーンショットを画像ファイルに変換
・「印刷」→「PDFに保存」でPDFとして出力
スマホアプリでの購入
表示される領収書データ・スクリーンショットで「フルページ」を選びPDFに。
そのPDFをメール添付で送信し、受信先で保存。
クレジットカードの利用明細データ
交通系ICカードによる支払データなど
日付、購入先、金額が表示された明細一覧 ・「印刷」→「PDFに保存」でPDFとして出力

簡単にいうと、

保存するものは?

わからなかったら、PDFファイルにしておく!

テキストファイルですと簡単に書き換えができてしまい、信頼性に欠ける点があります。
基本的に、PDFファイルは書き換えができないもので、
ファイルのタイムスタンプを見れば、いつ作成のものかわかります。
制度の大きな変更に、システムの導入は大変なことです。
まずは、できることから始めるのが大切です。

保存方法は?

作成したPDFファイル、適当にフォルダに入れておけばいいのでしょうか。
いえいえ、すぐに検索して取り出せるようにしないといけません。
これまでのような紙で印刷した領収書や請求書も、
多くの方は日付や費用ごとに台紙に貼り付けていたのではないでしょうか。
同じように、規則性をもって保存する必要があります。

ファイル名

ファイルを一つ一つ開かなくても、ファイル一覧から必要なファイルを見つけられる事が望ましいです。
国税庁からは、例として以下の通り示されています。

1 請求書データ(PDF)のファイル名に、規則性をもって内容を表示する。
例) 2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書
⇒「20221031_㈱国税商事_110,000」

出典:国税庁HP 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】

ちょっと面倒ですよね。
ファイル名が長くなって、むしろ整理しづらくなってしまいます。
要素を3つ入れても、3つ目の要素は検索には役立たないです。
あくまでも「例」として示されているものですから、規則性をもてばいいかと思います。
そこで、少し簡単にしてみました。

ファイル名

”取引日_取引先”で作成。(例:YYYYMMDD_取引先.pdf)

取引日と取引先だけで、金額は入れなくても必要なファイルを探し出すことができます。
こちらを提案させて頂きます。

フォルダ名

「請求書」フォルダを作って全てのファイルを入れるとしたら、
ファイル数がどんどんと増えてしまい探しにくくなります。
フォルダは階層構造を作って、適度にファイルをまとめると効率が上がります。
国税庁からは、

2 「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する。

出典:国税庁HP 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】

と示されています。
その中で、提案させて頂くのはこちらです。

フォルダ名

”年フォルダ”の中に”月フォルダ”を作成。(例:「YYYY」→「MM」)

請求書を探すときは、帳簿から「何年何月何日の○○の請求書」というように探すことになると思います。
相手先で作成すると、並び替えしやすいのは「ひらがな」ですが、「漢字」でないと見つけにくく、
取引先が増えると、その規則も適当になってしまいます。
「年」「月」でフォルダを作ると、月替わりでフォルダを作るだけですので簡単です。

まとめ

電子帳簿保存法の改正によって、「電子取引」をする多くの企業や事業主が影響を受けることになります。
義務といわれ、難しく考えてしまいがちですが、PDFファイル規則正しく保存すれば大丈夫です。
開始まで3か月を切りましたが、準備を始めてみてはいかがでしょうか。

ちなみに電子帳簿保存法、消費税は対象外になっています。
二度手間にならないように、次のブログにまとめております。

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Posted by 管理者